コンサル・方法論から読むシリーズ(3 / 5)

コンサルタントとは何者か ── 何を売っていて、何は売っていないのか

こういう場面、ありませんか。

プロジェクトが行き詰まって、「コンサルタントに相談してみようか」という話が出る。ただ、実際にコンサルタントが何をしてくれるのか、正直よく分からないまま検討していることも少なくありません。

一般的な定義は、広すぎて実態を捉えていない

コンサルタントとは、特定領域の専門知識と経験を持ち、依頼主が自力では解決できない問題に対して、助言・分析・支援を提供する人、と説明されることがよくあります。

この定義は間違ってはいませんが、広すぎます。法務のアドバイザーも、業務改善の専門家も、経営戦略のブレーンも、すべてこの定義に当てはまってしまい、結局「何をしてくれるのか」が見えてきません。

本当に提供しているのは、専門知識や客観的視点そのものではない

コンサルタントの価値としてよく挙げられるのは、専門知識、客観的な視点、他社事例の横展開です。しかし、これらは表層的な説明にとどまります。

もう一段踏み込むと、コンサルタントが提供している価値は、大きく二つに絞られます。

問いを立てる力です。 依頼主は多くの場合「答えが欲しい」と思っていますが、実際には「問い自体が的を外れている」ということが少なくありません。何を問うべきかを設計し直すことが、最初の、そして最も重要な仕事です。

意思決定を前に進める力です。 依頼主の内部では、情報・利害・感情が複雑に絡み合い、決定が止まっていることがあります。外部の立場から、その構造を可視化し、選択肢と判断基準を整理し、次の一手を作る。これが核心的な貢献です。

限界もある

一方で、コンサルタントには限界もあります。最も大きな限界は、コンサルタント自身が、依頼主の業務そのものを依頼主以上に知っているわけではないということです。

外から答えを持ち込むタイプの支援には、構造的な限界があります。答えが依頼主の実情に合わなければ、実行の段階で必ずずれが出ます。そして、最終的にその答えで進めるかどうかを決めるのは、いつまでも依頼主自身です。コンサルタントが決定そのものを肩代わりすることはできません。

「専門家が言うことだから」と丸ごと受け入れてしまうと、この限界を見失います。問いを立て、選択肢を整理するところまでがコンサルタントの仕事であり、決めるのは依頼主だという線引きを、依頼主の側も保っておく必要があります。

ITQの場合

ITQが実際にやっていることも、根っこは同じです。問いを立て直し、意思決定を前に進める。ここまでは、コンサルタントの本質的な仕事と変わりません。

ただし関わり方は、少し違います。方法論や提言を一度まとめて渡して終わる、という形は取りません。プロトタイプを差し出しながら、一緒に動きつつ答えを固めていく——「プロジェクトにおけるプロトタイピングによる伴走」という形で提供しています。

問いを立て、意思決定を前に進めるという仕事の中身は変わらないまま、それを一度きりの提言で終わらせず、動くものを介して続けていく。そこがITQの立ち位置です。