「第三者評価を入れよう」という話は、プロジェクトが怪しくなってくると、よく出てきます。ただ、具体的に何をしてもらえるのか、実はよく知られていません。
基本的な定義
第三者評価とは、開発チームやプロジェクト推進部門から独立した立場の人間が、計画・進捗・品質を客観的に見るプロセスです。医療で言うセカンドオピニオンに近い関わり方です。
プロジェクトの中にいる人たちは、それぞれの立場で真剣に判断しています。しかし、内部の力関係や、これまでの経緯への遠慮から、言いにくいことが言えなくなっていることがあります。外の視点を入れることで、そうした遠慮を経由せずに現状を見られるようにする、というのが基本的な役割です。
何を見ているのか
第三者評価が確認する対象は、大きく三つに分けられます。
ドキュメントの整合性。 要件定義書、進捗報告、議事録といった記録が、実態と一致しているかを確認します。書類の上では「順調」となっていても、実際には認識がずれている、ということは珍しくありません。
進め方の健全性。 リスクや課題がきちんと管理され、必要な情報が経営層まで正しく伝わっているかを見ます。現場では把握されている問題が、上に行くほど薄まって伝わっていないか、という点です。
関係者間の役割分担とコミュニケーション。 発注側と受注側、部門と部門の間で、役割分担や連絡が機能しているかを確認します。
会議に同席する、という関わり方
第三者評価では、実際の打ち合わせに同席することがあります。このとき見ているのは、発言の中身だけではありません。
誰かが一方的に話していて、もう一方が萎縮していないか。悪い報告が出たときに、場の空気がぎこちなくならないか。結論が出ないまま「持ち帰り」になる議題が多くないか。
書類の上では「順調」と書かれていても、会議の空気が重ければ、そこには書類に出てこないリスクがあります。第三者評価が会議に同席する意味の一つは、こうした、書面には残らない情報を拾うことにあります。
誤解されやすい点
第三者評価は、監視やあら探しではありません。「ここが間違っている」と指摘するだけの役割だと思われがちですが、それだけでは現場にとって煙たい存在で終わってしまいます。
本来の役割は、今どこで詰まっているのかを見えるようにして、前に進むための材料を渡すことです。プロジェクトの外にいるからこそ見える構造を、内側に返す。それが第三者評価という関わり方の本質です。
では、どのような第三者評価であれば、実際に現場の役に立つのでしょうか。